自社も賃上げすべき?組織における賃上げのメリットと効果的な方法についてご紹介!

作成日:2024/5/23
最終更新日:2024/5/23

賃上げとは?

賃上げとは従業員の給料をあげることを指します。

具体的な方法としては定期昇給とベースアップ(ベア)、手当の支給があります。

定期昇給

定期昇給とは、会社が予定したタイミングで定期的に従業員の給料をあげることです。定期昇給のタイミングは会社により様々ではありますが、一般的には年に一度または二度に設定しているところが多いでしょう。

また毎回昇給が決まっているわけではなく、個人の成績や社歴、年齢などによって昇給の有無や昇給の幅が変わります。

ベースアップ(ベア)

ベースアップとは、会社の労働者全員を対象として賃金水準の底上げを図ることです。

賃金額を一定額上乗せする方法や、基本給に対して一律の割合で昇給させる方法があります。

手当

資格や昨今の物価動向に対して一定額の手当を支給することも賃上げの一つの方法です。
手当としては、例えばインフレ手当や配偶者手当などがあげられます。

賃上げの実態

近年では多くの企業が賃上げを行っており、その割合は年々増加している傾向にあります。

厚生労働省「https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/jittai/23/index.html」(『令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況』、記事更新日:2023/08/10、引用日:2024/04/01)

また今期(令和6年度)は、

①物価高への対応
②好調な業績
③人材獲得競争の激化

などを背景に、1991年(5.66%)以来33年ぶりに賃上げ率*が5%を超えると予想されています。

*賃上げ率=昇給後の給料が以前の給料に比べて何%上がったのか、その割合を示したもの

厚生労働省「https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2024/yokyu_kaito/kaito/press_no2.pdf?7091」『中堅・中小組合含め、高水準の回答続く!~2024 春季生活闘争 第 2 回回答集計結果について~』、記事更新日:2024/03/22、引用日:2024/04/01

賃上げのメリット・デメリット

賃上げのメリットとしては次のようなことが挙げられます。

メリット1 人材獲得が行いやすくなる

人手不足が叫ばれる中、人材獲得競争は激化を極めています。

そんな中で賃上げを実施することはこの競争を有利にする要因になります。

メリット2 人材の引き留め

転職の理由で最も多いものが「給与が低い・昇給が見込めない」といったものであり、賃上げを実施することで人材の流出を防ぐことができるといったメリットがあります。

メリット3 社員のモチベーション向上

賃上げを行うことで、仕事に対するモチベーションが向上することで、社内全体の生産性アップにもつながると考えられます。

一方で、デメリットとしては次のようなことが挙げられます

デメリット1 人件費上昇

会社としては人件費が上がることで利益の減少に繋がる可能性があります。また一度引き上げた賃金を下げることは困難であるため、長期的に人件費が上昇するといったデメリットがあります。

賃上げの具体的な方法とそれぞれの方法のメリット・デメリットについて

定期昇給

定期昇給の具体的な方法として、

  • 昇給率を〇〇%引き上げる
  • 昇給の頻度をあげる

などが挙げられます。

定期昇給によるメリットとして、社員のモチベーションアップや生産性向上につながることがあります。一方で人材獲得に対する効果はあまり見込めないといったデメリットも存在します。

ベースアップ(ベア)

ベースアップの具体的な方法としては、

  • 全社一律で〇〇円の給与アップを行う
  • 特定部署・役職の給与をXX円あげる

などが挙げられます。

ベースアップのメリットとして、給料を高く提示することができ、人材獲得に対する効果が高いことや、人材流出防止に効果的であることがあります。一方で人件費が増大するため利益の減少につながる可能性がある点や一律アップにより不公平感を抱かれる可能性がある点には注意が必要です。

手当

手当の例としては、

  • インフレ手当
  • 配偶者手当

などがあります。

手当で賃上げに対する対策を行う場合、人件費がかかりにくく、コントロールしやすいというメリットがありますが、人材獲得や人材流出防止にはやや効果が薄いデメリットもあります。

賃上げ方法の決定について

ここまでで、賃上げの方法とそれぞれのメリット・デメリットについて触れてきました。では、賃上げの賃上げ方法を決めるにはどのように考えればよいでしょう。それには、目的に合わせて検討することがおすすめです。

人材流出を防ぎたい・定着して欲しい

定期昇給→モチベーション増加に繋がり、効果的
ベースアップ→他社よりも高い給与条件であれば定着にも効果的

人材を獲得したい

ベースアップ→提示できる給与を高めることで人材獲得を行いやすくなり効果的

インフレに対して一時的に対策したい

手当→コストをかけずに対策が可能であるため効果的

従業員の生産性を増加させたい

定期昇給→モチベーションアップに繋がり、生産性の増加が見込める

会社イメージを向上させたい

定期昇給・ベースアップ→社会的責任を果たしているPRに繋がり、イメージアップにつながる

賃上げ促進税制について

ここまで賃上げのメリットについて紹介してきましたが、多くの事業者にとって賃上げの原資を獲得することはかなりハードルが高いのが現状です。そこでぜひ活用していただきたい制度として、「賃上げ促進税制」があります。

賃上げ促進税制とは?

青色申告書を提出している中小企業者等が、一定の要件を満たした上で、前年度より給与等の支給額を増加させた場合、その増加額の一部を法人税(個人事業主は所得税)から税額控除できる制度です。

(中小企業庁『中小企業向け「賃上げ促進税制」』https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/syotokukakudai.html、引用日:2024/04/01)

これらの制度も利用し、より効果的に賃上げを進められると良いでしょう。

*詳しくはこちら

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/syotokukakudai.html

(中小企業庁『中小企業向け「賃上げ促進税制」』、引用日:2024/04/01)

https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/syotokukakudaisokushin/syotokukakudai.html

(経済産業省『賃上げ促進税制』、引用日:2024/04/01)

まとめ

今回は、賃上げの方法やそれぞれのメリットデメリットを紹介しました。
賃上げは人材獲得、および人材流出を防ぐために非常に効果的な手段です。

しかし、実際の退職理由を見ると給与以外のハイジーンファクター*による退職が多いことも事実です。

*ハイジーンファクター:主に「心身の健康状態」「会社での人間関係」「職場環境」などによって、仕事における不満足を引き起こす要因を指します。
詳しくはこちら→https://stg.hataraku-karte.jp/herzberg

(株式会社OKAN『ハーズバーグの「二要因理論」とは?人材が定着・活躍する組織に必要な要素を紹介』、記事更新日:2023/12/04、引用日:2024/04/01)

人材流出を効果的に防ぐためには賃上げだけでなく、給与以外の満足感を高めることも重要になります。

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