ハーズバーグの「二要因理論」とは?人材が定着・活躍する組織に必要な要素を紹介
作成日:2020/6/15
最終更新日:2023/12/4
ハーズバーグの二要因理論とは?
「二要因理論」は、アメリカの臨床心理学者であるフレデリック・ハーズバーグが1966年に出版した”Work and the Nature of Man.”で提唱した職務満足・職務不満足を引き起こす要因に関する理論です。
要因は、「動機付け要因(Motivator Factors、以下モチベーター)」と「衛生要因(hygiene Factors、以下ハイジーンファクター)」の2種類に分けて考える必要がある、という主張を展開しました。
動機付け要因(モチベーター)とは
動機付け要因(モチベーター)は、「承認」「昇進」「成長」など職務満足を引き起こす要因を指します。
精神的に成長したい、認められたいという内面から起きる欲求に基づくものとされています。
衛生要因(ハイジーンファクター)とは
衛生要因(ハイジーンファクター)は主に「心身の健康状態」「会社での人間関係」「職場環境」などで、の仕事における不満足を引き起こす要因を指します。
苦痛や欠乏を避けたいという欲求に基づくものとされています。
ちなみに、同じ「承認」という要因でも、人によっては動機付け要因となったり、衛生要因となったりすることもあります。
ハーズバーグとは?
ハーズバーグは本名を「フレデリック・ハーズバーグ」と言い、20世紀のアメリカの臨床心理学者です。
ケース・ウェスタン・リザーブ大学で心理学の教授、ユタ大学で経営学の教授を歴任し、モチベーションの研究を行う中で、「動機付け要因」と「衛生要因」からなる二要因理論を発表しています。
ハーズバーグの二要因理論の研究の概要
ハーズバーグの二要因理論の研究の概要は、従業員の仕事における満足度は、「満足」に関わる要因(動機付け要因)と「不満足」に関わる要因(衛生要因)のそれぞれがあり、この両方が満たされることで高いモチベーションが保たれるというものです。
この結論を導き出すためにハーズバーグは、ピッツバーグのエンジニアと経理担当者の200 人に対して「仕事中に極度の満足または不満足を覚えたとき、その仕事の上でどのようなことがおきたのか」を尋ねた上で、この理論を導き出しています。
(参考:フレデリック・ハーズバーグ『仕事と人間性―動機づけー衛生理論の新展開』、P83-89、出版社:東洋経済新報社、刊行年:1968/3/1、引用日:2023/12/1)
従業員が定着・活躍するために必要な要素とは?
ハーズバーグが提唱した二要因理論をベースとして、「ハタラクカルテ®」では、統計的・学術的な検証を重ね、従業員が定着・活躍するためには、動機付け要因・衛生要因を組み合わせた上の画像の15項目が重要であることを導き出しました。
- IT・作業環境の充実
- 快適な職場環境
- 経営への信頼
- 最適な人員配置
- 教育の体制
- 多様な働き方
- 適切な評価
- 良好な人間関係
- 上司との関係
- 業務量と時間的負担
- 私生活との両立
- 休暇の取りやすさ
- やりがい
- フィジカルヘルス
- メンタルヘルス
二要因理論を社内のマネジメントで活かすには?
二要因理論を組織で活かすには、動機付け要因と衛生要因が社員に対して、どのような影響を与えるかを事前に認知しておく必要があります。
動機付け要因となるものは人によっても異なりますが、多くの人においてはやりがいが挙げられます。
やりがいは、社員の生産性に影響を与えます。
どうしても人間なので、やりがいを感じない仕事を続けていると集中力が落ちてしまうことで生産性が低くなりがちです。
そのため、動機付け要因を満たすことは、高い生産性を維持するためには欠かせません。
衛生要因は、不満足要因とも呼ばれており、強い不満がある状態であれば、社員が離職するという悪影響を及ぼします。
仕事にやりがいを感じていたとしても、労働条件や職場環境などに不満を感じていると、その不満をきっかけに転職を考えて行動に移す人も少なくありません。
特に離職が多く起きている職場では、衛生要因に起因する問題が起きていないか、確認したほうがよいでしょう。
社員のマネジメントをする際は、「どのようにすればやりがいを感じてもらえるか」、「どうすれば待遇や環境に満足してもらえるか」を常に意識しながら、二つの要因の満足度をあげることでより高い効果を得ることができます。
従業員が定着・活躍する組織を作ろう!
組織サーベイツールの『ハタラクカルテ』では、人材定着・活躍に必要な15項目の満足度を測定できるとともに、49問の質問を通してより詳しく組織の課題の可視化を行うことが可能です。
二要因理論の研究の通り、人材が定着するには不満足になりうる要因を解消するとともに、満足感を高めることの両方が必要です。
ぜひ従業員が不満足に感じている項目は何か、満足感は高まっているのかの可視化を行うとともに、人材が定着し、活躍する組織を作るためにご活用ください!