ピアプレッシャーとは?組織におけるメリット・デメリットを紹介
作成日:2020/6/21
最終更新日:2023/12/4
ピアプレッシャーの意味とは
ピアプレッシャーは「peer(仲間)」と「pressure(圧力)」を組み合わせた、「同調圧力」を意味する言葉で、一緒に働くチームのメンバーや上司、同僚などの監視などから受ける圧力のことを指します。
相互監視を行うことで緊張感が生まれ、仕事へのミスを減らす動きや意識が増えるなどのメリットが考えられる一方で、精神的な心労が溜まったり、周りが残業しているから残業をしないといけない気持ちになってしまうなどのデメリットも考えられます。
ピアプレッシャーと日本の企業の関係
日本の企業は、海外の企業と比較してピアプレッシャーが強いと言われており、「集団文化」の影響を受けて、周りと合わせようとしたり、空気を読んだ言動をしないといけないと感じる傾向が強いようです。
察することや他人を思いやる精神が強いために個人行動はなかなか受け入れられにくいので、過剰なピアプレッシャーのためにメンタルヘルスを害したり、苦しんでいる人も多いかもしれません。
組織づくりにおいて適度なピアプレッシャーが必要とされている背景・理由
組織づくりにおいて、ピアプレッシャーは過剰でも不足していても問題とされており、適度なピアプレッシャーが必要とされます。
このピアプレッシャーをうまく活用することで、組織のモラルが保たれたり、全員の生産性が保たれるメリットが考えられます。
しかし、ピアプレッシャーが過剰にあると、お互いを監視しすぎて新しいチャレンジがなかなか生まれなくなったり、ピアプレッシャーが不足していると、モチベーションが保たれにくくなってしまうなどのデメリットも考えられます。
会社・従業員双方にとって成果が最大化され、お互いにメリットがある状態を作っていくことが重要です。
適度なピアプレッシャーが組織にもたらすメリット
組織内に適度なピアプレッシャーを保つことによって、
- チームの仲間との助け合いが生まれる
- チーム全員の状況を把握しやすくなり、認識の齟齬を小さくできる
- 仲間と良い関係を築くことができ、信頼関係が醸成される
- 従業員1人1人がプロ意識を持つことによって高い生産性が維持される
- モチベーションを高い水準で保つことができる
などのメリットが考えられます。
過剰なピアプレッシャーが組織にもたらすデメリット
組織に過剰のピアプレッシャーが存在することによるデメリットとしては、
- 他のメンバーが残業していると、帰れずに無用な残業をしやすくなる
- 他のメンバーが休日出勤をすると、残業と同じように無用な休日出勤をしやすくなる
- 競争意識や監視が激しくなり、メンタルヘルスへの負荷が大きくなる
- 場を乱す可能性を危惧し、自分の意見を言いづらくなる
- ミスをすることを恐れやすくなり、新しいチャレンジをしづらくなる
などが考えられます。
ピアプレッシャーが不足していることで組織にもたらすデメリット
組織にピアプレッシャーが不足することによるデメリットとしては、
- 職場の緊張感が薄くなり、ミスが増える
- 仲間に対して関心を持たなくなり、協力をし合うことが減る
- チーム内の連携が減り、チーム全体の生産性が低下する
- 個人主義が強くなり、属人的な取り組みが増えて仕組み化が進みにくくなる
- 従業員のモチベーションが保たれずに、その時々の気分で仕事に取り組むようになってしまう
などが考えられます。
ピアプレッシャーを活かした組織活性化の取り組み例
ピアプレッシャーを活かして組織活性化していくためには、会社としてのいくつかのルール整備や文化作りを行なっていくと良いでしょう。
具体的な取り組みを2つ紹介します。
1.行動指針を定める
従業員に対して、具体的にどのような行動を求めるのかを定義し共有することで、望んだ行動をとってくれる可能性が高まります。
2.定期的な1on1の実施
チームの緊張感を適度に保つためにも、仕事の進捗や困っていることを、1週間に1回や隔週に1回などのペースで定期的に上司に報告・共有する機会を設けるのも1つの方法です。
部下としては自分の仕事を振り返る時間になる他、上司が適切なフィードバックや課題を提示する機会も増えることによって、部下の成長も見込めます。